解明への灯










Gentle Tiger :
 サンドリアの大騎士を助けたそうじゃないか! クララ隊長が中でお待ちだ。
 (大工房へ向かうと、扉の前でアーデルハイドが聞き耳を立てている。)
Adelheid :
 !!
 わ、わたし 盗み聞きなんてしてません!こ、これから出動なんです。失礼しますぅ〜!
(部屋の中)
Five Moons :
 トンベリだと!?
Nicolaus :
……サンドリアで相次いでいた暗殺事件も同じ手口だったというのですか?
Klara :
 デュレル准爵は、そう言っていた。王都を震撼させた連続暗殺事件は、トンベリの刺客によるものだと。
 さきほど、デュレル准爵に軍務大臣の遺体をあらためていただいたが……傷口はサンドリアで暗殺された騎士たちのものと酷似していたそうだ。
 狙われたのは、開戦前から獣人軍の危険を主張していた騎士ばかり。プリーン大統領やベルナー軍務大臣と同じようにな。
Zeid :
 なるほど、トンベリの仕業だという説は有力なようだ。だが、まだふたつの謎が残っているな。
Volker :
 進入経路と、暗闇の謎か……。
(クララが冒険者の存在に気がつく)
Klara :
……あなたは大騎士の救出に助勢してくれた方ですね。申し訳ありません、そちらでお待ちいただき……
なに、ふたつの謎を説明できる? ぜひとも、話を聞かせていただきましょう。 ザイド。
Zeid :
では、まず ひとつめの謎について聞かせてもらう。
おまえの考えでは、犯人はどこからこの部屋に侵入したのだ?
<選択肢>
Zeid :
換気口……?
Klara :
あのガルカの子供が換気口から研究室に入ったと言っていたのですか。
なるほど。小柄なトンベリなら子供と同じように換気口から進入できる。刺客にとって、工房長の研究室は密室ではなかったというわけか……。
Zeid :
では、ふたつめの謎について聞こう。
遺体が発見されたとき、部屋のなかが真っ暗だったことはどう説明する?
<選択肢>
Zeid :
軍務大臣が灯りをつけなかった……?それはなぜだ?
<選択肢>
Volker :
なにかに気をとられていた……?それはいったい……。
Nicolaus :
……思い出した。フォルカーさん、むかし文献で読んだことがあります。トンベリは暗殺の際、ランタンでターゲットの気を引き、背後から忍び寄ると……!
Volker :
……!
Nicolaus :
おそらく、トンベリはランタンを部屋の奥に置き、どこかに身を潜めていたのでしょう。
そして、軍務大臣がランタンに近づいたところを背後から襲ったんです!
扉の錠を下ろしたのは おそらくトンベリでしょう。逃亡のための時間稼ぎです。
そして、衛兵が扉を破る間にランタンと凶器を持って換気口から脱出し、周囲が封鎖される前に逃げ延びた、というわけです。
あるいは、封鎖が解かれるまで換気口に潜んでいた可能性もありますね……。
それにしても、血痕ひとつ残していない。恐ろしいほどの手際のよさです。
Volker :
そういうことだったのか……!
Klara :
たしかに敵軍が放った刺客と考えれば納得がいく……だが、トンベリは群れなすことを好まぬ獣人と聞いている。
すでに血盟軍はトンベリをも支配下においているのか、それとも……。
とにかく、事件の背景を突きとめる必要がある。 ザイド、フォルカー。引きつづき捜査にあたれ!
Zeid :
承知した。
Klara :
あなたの名は?
Klara :
……○○殿。あなたには大きな借りができた。まず、これは大騎士救出のお礼です。受け取っていただきたい。
そしてあなたの推理のおかげで捜査に光が見えた。感謝します。

Gentle Tiger :
 あの子供は換気口から忍びこんだのか!また減俸かと思ってヒヤヒヤしたぞ……。